相武電鉄資料館

相模川水系発電追録

中津川(宮ヶ瀬)発電所

【所在地】
 発電所 : 愛甲郡清川村宮ヶ瀬字落合
  1947年:宮ケ瀬村930
 取水口 : 愛甲郡清川村宮ヶ瀬(一ノ瀬) <中津川水路>
      相模原市緑区鳥屋(一ノ瀬) <早戸川水路>
 放水口 : 愛甲郡清川村宮ヶ瀬字落合

【開設時期/閉鎖時期】
 大正15年11月 / 平成 6年 6月

【所属】
 相武電力 〔開設〕
    ⇒ 日本電力 ⇒ 日本発送電 ⇒ 東京電力

【昭和3年次 概要】
取水河川 水量 落差 発電量 常用・予備
中津川
早戸川
100個
(2.78立方m/秒)
367.0尺
(111.21m)
2,260Kw 常用

【昭和10年次 概要】
取水河川 水量 落差 発電量
中津川
早戸川
4.46立方m/秒 110.20m 3.580Kw

【平成6年次 概要】
取水河川 水量 落差 発電量
中津川 4.45立方m/秒 110.00m 3.580Kw



中津川発電所の概要

 中津川発電所は当初、東京電燈が大正12年(1933年)4月に着工しましたが、大正15年(1936年)7月、相武電力が水利権を譲受し工事を引継ぎました。
 2ヶ所ある取水口のうち中津川側が11月に竣工し発電を開始、早戸川側の取水口も昭和2年(1937年)8月に完成、全面運転を始めています。
 戦後、東京電力の所属となりましたが、平成6年(1994年)6月に宮ケ瀬湖の完成と伴い運転を終了しています。


中津川発電所の様子

   中津川発電所は堰提による取水、自流式で構造は次のようになっていました。

【取水設備(中津川取水口)】

堰提
形式 コンクリート重力式
高さ 5.757m
頂長 26.664m
敷幅 8.770m

沈砂槽
延長 32.120m
7.406m
深さ 2.313~4.000m
敷幅 8.770m

 取水堰は現在も残され、宮ヶ瀬湖畔の園地で使用する水の供給源となっています。


【水路】

中津川水路 隧道 2,366間
早戸川水路 隧道 1,448間


【水圧鉄管】

 発電所設備のうち、水圧鉄管や余水水路などは残置されており、その一部を見ることができます。

写真:発電所上部設備  写真:水圧鉄管


【発電所】

水車
  昭和10年 平成6年
種類 フランシス 横軸シングルスパイラルリアクション
回転数 600回/分 600回/分
馬力   3,600馬力
一台あたりの
出力
1,940kw  
常用(総出力) 2個(2,880kw) 2個
予備(総出力)
製造会社 電業社  

発電機
  昭和10年 平成6年
種類 三相 三相交流回転田磁型
一台あたりの
容量
2,200KvA 2,200KvA
電圧/周波数 3,500V/50Hz -/50Hz
常用(総容量) 2個(4,400KvA) 2個
予備(総容量)
製造会社 芝浦  

変圧器
  昭和10年 平成6年
容量 1,500KVA 1,500KVA
電圧(一次) 3,500V  
電圧(二次) 38,100V
36,500V
34,600V
 
電圧(三次)  
結線方法    
コア 油入コア
冷却方法 水冷式
単相 単相
周波数    
常用(総容量) 3個(4,500KVA) 3個
予備(総容量) 1個(1,500KVA) 1個
製造会社 芝浦  

〔 参考文献 〕
  • 神奈川県 編 (1927) 『吾等の神奈川県』
  • 逓信省電気局 編 (1927)『電気事業要覧. 第26回 昭和10年3月』
  • 土屋 伸仁 (-) 『既設堰堤を活用した小水力発電の検討』
  • 日本電力 編 (1933) 『日本電力株式会社十年史』
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