停車場配線の設計
停車場k構内の勾配
停車場構内とは、場内信号から反対側にある場内信号までをいいます。但し、引き上げ線などの側線が場内信号の外まで伸びてい場合、これを含めて停車場構内となります。
建設規程によると、下記の図のように停車場の構内の内側、本線の最端転てつ機(その外方が下り勾配の場合はこれの外方20m)の間、及び列車の停車区域については、3.5バーミル以下の勾配に定められています。
この勾配は車両が留置しても、風などによって動き出すことのない勾配です。
なお、最端転てつ機の外方20mとしているのは、貨車1両を手押し入換えしても安全なように配慮されているためです。

車両を解結しない停車場であれば、列車の発着に支障のない場合は10パーミル以下と定められています。
この勾配は、本線の制限勾配と関係し、ほぼ下記の表の値以下であれば充分です。
【制限勾配と停車場勾配の関係】
制限勾配 | 停車場勾配 | |
---|---|---|
貨物列車また混合列車 | 旅客列車 | |
10‰ | 4‰以下 | 10‰以下 |
12.5‰ | 6‰以下 | 10‰以下 |
15‰ | 8‰以下 | 10‰以下 |
16.7‰ | 9‰以下 | 10‰以下 |
20‰以上 | 10‰以下 | 10‰以下 |
側線の勾配も車両を留置する部分では3.5バーミル以下に抑える必要があり、車両を留置する部分でない場合の規程はありませんが、実際に使用されているものとしてバンプの下り勾配で用いられる50パーミルが最大勾配となり、機関区や電車区の走行線は33バーミルまで使われています。
手押し入替えを行う必要のある中間駅では、全て3.5バーミル以下の勾配とする必要があるといえます。
〔 参考文献 〕
- 中央鉄道学園三島分教所 (1965) 『停車場配線』(学園教材 工35)