相武電鉄資料館

停車場配線の設計

停車場構内の曲線

1.本線

 本線での曲線は分岐器の曲線半径以上のものを使います。
 例えば、最端分岐器が10番両開きの場合、そのリードの半径は340mとなるため、少なくともそれよりも大きい350m以上、通常であれば400m以上のものを使います。
 また、分岐器には通常カントをつけないため、これらの曲線にも緩和曲線やカントをつけません。ただし、最端転てつ器外方の曲線には緩和曲線やカントをつけます。

2.側線

 建設規程では、曲線の半径は100m以上と定めています。しかし、貨車の連結可能最少半径は130mのため、解結を行う場所での最少半径は130mとなり保守の面から考える160m以上が好ましいようです。

3.分岐器と曲線の結び方

 分岐器と曲線との間には、下図のように5m以上の直線部を設けます。

図:分岐器と曲線の接続

 これはスラッグの逓減するために必要となるためです。やむをえず、5mの直線部を設けられない場合でも、分岐器轍叉の末端継ぎ目から2.5mの直線は必ず確保しなければなりません。

4.反向曲線間の直線長

 スラックの逓減距離として、10m以上の直線は必要となります。
 本線の場合は、列車の振動を少なくするために20m以上の長さとします。やむを得ない場合でも15m以上は必要となります。

5.停車場の中心線が曲がっている場合

 停車所の中心線は、列車より信号や合図が見えやすく列車乗務員と駅員との連絡がとりやすいので理想的です。
 しかし、やむを得ず曲線部に停車場を設ける場合、下図のように建物などをなるべく曲線の外側に設けて、列車の見通しを妨げるものは内側に設けないようにします。

図:曲線上の駅の例

 内側に設けなければならない場合でも、線路からなるべく離して、見通しを良くするようにすることを心がける必要があります。

〔 参考文献 〕
  • 中央鉄道学園三島分教所 (1965) 『停車場配線』(学園教材 工35)
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