相武電鉄資料館

相模川水系発電追録

神奈川県下相模川流域における水力発電の現在

 現在、神奈川県内の相模川水系のうち水力発電所が設けられているのは相模川本流、道志川、秋山川と中津川の4河川に、下記の10箇所となります。

発電所名 所在地 河川名 最大出力(Kw) 備考
道志第1 相模原市緑区牧野 道志川 10,500 道志ダムより取水
秋山川へ排水
道志第2 相模原市緑区牧野 道志川 1,050 道志ダムより取水
道志第3 相模原市緑区牧野 秋山川 1,000 牧野取水堰堤より取水
道志第4 相模原市緑区牧野 道志川 59 道志第2の排水を再利用
道志ダム 相模原市緑区牧野 道志川 50 道志ダム放流水を活用
相模 相模原市緑区若柳 相模川 31,000 相模ダムより取水
城山 相模原市緑区川尻 相模川 250,000 揚水式
津久井湖⇔城山湖
津久井 相模原市緑区谷ヶ原 相模川 25,000 沼本ダム・城山ダムより取水
愛川第1 愛甲郡愛川町半原 中津川 24,200 宮ヶ瀬ダムより取水
愛川第2 愛甲郡愛川町半原 中津川 1,200 石小屋ダムより取水

写真:津久井発電所
 総出力数344,000Kwにも及ぶこの発電所群、その全てが神奈川県企業庁によって運営されており、私企業が設置した発電所は一箇所もありません。
 この後の項で挙げるように昭和40年代までは、電力会社運営の発電所がいくつか存在しています。しかし、発電能力が小規模なものが多く、効率的ではないという理由から次々と廃止されていきました。一方で相模川河水統制事業政策のもと、相模や城山といった大規模ダムや取水堰が行政主導で建設されていくなかで私企業が立ち入る隙がなく、民間資本での新たな発電所が着手されなかったのではないのでしょうか。

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