停車場配線の設計
スイッチバック停車場の概要
明治時代に建設された信越本線や中央本線などにおいて、坂道を一定の勾配で登りきれない場合は、このスイッチバック停車場を建設しました。
現在では、線路容量を増やすために駅と駅との間に信号場を設ける必要がある場合に用いられます。ただし、建設の際にこの型式を用いることは稀となっています。その理由として、スイッチバック停車駅はの建設費用は必ずしも安価ではなく、線路延長はスイッチバックする長さだけ長くなり、運転時分も旅客列車で2.5~3分、貨物列車で3~4分は長くなります。
スピード時代にはふさわしくないばかりか、駅間運転時分が少なく、列車の到着時分も遅くなるのでマイナスなります。さらに軌道延長が長く、駅の分岐の数や信号機の数も多くなるため、駅の扱い回数も多く、保守する保線・電気関係のの経費も高くなるのです。したがってやむを得ない場合に限りスイッチバック停車場を建設するようにします。
坂道を登りきれない場合は一般として、U字型に遠回りをさせるいわゆるタコ坊主か、またはループ線にします。こうしたほうが同じ高さを登るのに経済的な場合が多く、将来の輸送量増加に対応もしやすいという利点があります。
〔 参考文献 〕
- 中央鉄道学園三島分教所 (1965) 『停車場配線』(学園教材 工35)