相模野基線
百米比較室
明治35年(1902年)、文部省測地学委員会による相模野基線の再計測が行われるにあたって、使用する基準尺の検定を行うために標準尺比較室が現在の相模原市南区相模台付近にありました。
再計測にあたっては、温度変化に対応できるアメリカ・フォース社製5メートル氷漬鋼鉄測桿を使って100メートルの比較基線の測定を行い、その比較基線で実際に測量に使用される100メートルと10メートルの鋼鉄巻尺の検定を行ったそうです。
「百米比較室」の名は、この比較基線100メートルを由来としています。
この地の比較室は昭和2年(1927年)末、三鷹にあった東京大学天文台(現在の国立天文台)の構内に移されるまで使用されました。
百米比較室
百米比較室は、相模原市南区相模台2丁目17・16・21番地にかけて建てられていました。
茅葺屋根の木造のもので、南北二間(3.6メートル)、東西六十間(110メートル)の大きさであったことから、「六十間長屋」とも呼ばれていたそうです。
当時の地形図には「文部省測地学試験所」の文字と特異な建物の記号を見ることができます。
昭和50年代に測定に使われた西端側の標石が発見され、その場所には案内板が建てられました。
中間点
基準点コード | TR45339231301 |
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基準点名 | 基線中間点 |
種別 | 四等三角点 |
北緯 | 35度30分38秒.7532 |
東経 | 139度25分13秒.1630 |
標高 | 84.65m |
中間点は相模が丘仲よし小道(相模原畑地かんがい用水跡)付近の道路上にあり、往来の障害にならないよう地中に設置されており、マンホールで蓋がされています。
明治35年の再計測の際には、この中間点と南端点から10メートルの地点に設置された補点が新たに追加され、精度の向上が図られました。