相武電鉄資料館

愛川町内の横須賀水道を巡る

歴史編

 旧横須賀市営水道の半原系統は、愛川町半原より横須賀市逸見の逸見浄水場までの53kmにわたり敷設された上水道用送水設備です。

図表:横須賀水道半原系統ルート図

写真:相模川を越える上郷水管橋  日露戦争後の軍備拡張により日本海軍の規模は拡大の一途を辿り、横須賀市内を水源とする走水系統を保有していたものの、これだけでは需要に応えることができなくなりました。
 このため、新たに半原の地に水源を求め、明治45年(1912年)に工事に着手し、大正10年(1921年)に給水を開始しました。
 終戦に伴い、昭和29年(1954年)に横須賀市へ無償譲渡され、市営水道として使われてきましたが、取水口上流に宮ヶ瀬ダムが建設されるなど環境が変化し、水需要の減少や設備の老朽化などにより平成19年(2007年)に取水を停止し、国への取水許可期限が終了する平成27年(2015年)2月末をもって運用が終了となります。

 半原より取水された原水は内径500mmの鋳鉄管で逸見浄水場まで送られ、最大9,800m3/日の送水能力を有していました。
 半原水源地(126m)と逸見浄水場(58m)とでは、標高差が約70m程あったことから、ポンプなどの機器を使うことなく自然流下により送りととけることが出来たそうです。


〔 参考文献 〕
  • 愛川町文化財調査会 編 (1988) 『あいかわの地名:中津地区 (愛川町文化財調査報告書 第14集)』
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