相武電鉄上溝浅間森電車庫付属資料館
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終章3.淵野辺駅から半原へのバス路線


図:相武電鉄線・淵野辺半原線路線図 1.相武電鉄線を辿るバス路線

 現在、相武電鉄の沿線地域であった、上溝、久所、角田、田代へは途中で乗り継ぎが必要となりますが、淵野辺駅より路線バスで辿ることができます。


2. 始まりは淵野辺〜久所間

 淵野辺駅より田名や半原方面を結ぶ路線は、大正10年1月に相武電鉄の株主でもあった大谷 仁三郎さんが淵野辺と久所を結ぶ路線として開設しました。
 運賃は、淵野辺・久所間が60銭、上溝・久所と淵野辺・上溝間がそれぞれ35銭で片道30分程かけて運行されていました。

〔 大正年間当時の淵野辺・久所間バス時刻 〕
久所発 上溝発 淵野辺着 淵野辺発 上溝発 久所着
5:30 5:45 6:00 6:15 6:30 6:45
7:20 7:35 7:50 8:35 8:50 9:00
9:40 10:00 10:15 10:50 11:05 11:20
12:00 12:15 12:30 13:20 13:35 13:50
14:30 14:45 15:00 16:00 16:15 16:30
17:00 17:15 17:30 18:20 18:30 18:50
19:30 19:45 20:00 20:20 20:35 20:50



3. 同じ頃、愛甲郡では

 愛甲郡では、厚木〜平塚間に鶴屋自動車商会が大正8年12月に開業したのを皮切り、厚木から藤沢、保土ヶ谷(横浜市)、横浜、松田などの郡都であった厚木町と郡外を結ぶ路線バスが運行されました。
 郡内を通るバス路線として、半原を経由した橋本や八王子に向かうバスが大正9年に相模自動車の手で運行されたのを始めとして、山田 忠治さんという方が個人で、高峰村小沢(相武電鉄小沢駅付近)から荻野村新宿(厚木市下荻野)の間に路線を設けました。
 田代村から田名村へは、大正14年1月に小金井 助治さんという方がバスの運行を開始しています。


4. 競合と自動車交通事業法施行の中で

 昭和5年頃になると、神奈川県下にも多くのバス会社が設立されるようになります。これに対し乱立したバス会社を統合しようという気運が強まり、昭和6年には自動車交通事業法が施行されました。
 これらの動きにより、高座郡・愛甲郡近辺では湘南地域から急速に勢力を拡大しつつあった藤沢自動車が郡内にあったバス会社を次々と併合して、多くの路線を持つようになり、橋本、上溝、半原、宮が瀬など地域だけでなく津久井郡内や八王子まで拡大していきました。
 橋本〜茅ヶ崎間に鉄道路線を持っていた相模鉄道はこの藤沢自動車の攻勢に危機感をもち、大谷さんから淵野辺〜田名間、橋本〜田名間を譲り受け、上溝〜厚木間に路線を持つ愛甲自動車を合併して沿線地域の防衛に努めました。


x5. 戦時政策よる再編

 昭和16年、第二次世界大戦参戦により戦時体制となった日本政府は、あらゆる物の流れを統制しようとしました。これは、バスの面でも例外ではなく、大戦前、すでに施行されていた「陸上交通事業調整法」と併せて、昭和17年にバス事業の統合に関する鉄道省通牒(通達)が神奈川県内の路線バス事業の再編を促しました。
 高座郡・愛甲郡地区は、東海道乗合自動車が統合主体となり、統合が進められていきます。この際、東海道乗合自動車は社名を「神奈川中央乗合自動車」に改めてました。そう、これが後の神奈川中央交通となってゆくのです。
 淵野辺〜久所線を所有していた相模鉄道も、昭和19年に全路線を神奈川中央乗合自動車に譲渡しています。


写真:淵野辺駅で出発を待つ半原行 6. そして現在

 戦後、陸上交通事業調整法により関東南部の私鉄路線を一手に所有していた東京急行電鉄の解体される一方、一極集中化していたバス路線についても、主として東急電鉄解体により発足した私鉄会社の関連バス会社や直営のバス部門への、既存路線の分割譲渡や新たな路線開拓が進むこととなります。
 しかし、相模原・愛川付近においては、唯一の私鉄路線である小田急電鉄が神奈川中央交通自体を傘下に取り込んでしまったため、バス路線は戦中からの路線体系を(戦後再開されたものも含めて)引き継ぐ形となり、淵野辺半原線についても神奈川中央交通が運行することとなりました。

 平成26年(2014年)3月までは、淵野辺駅南口と半原方面の間は直通の路線が運行していましたが、同年3月末に相模原市中央区田名の旧・上田名バス停があったあたりに田名バスターミナルが作られると、路線分割が行われました。
 現在、淵野辺駅を起点として相模川を越える路線は、淵野辺駅南口〜愛川バスセンターの一往復のみとなり、田代や半原へ向かう際は田名バスターミナルにおいて乗り換えが必要となっています。


----.--.-- 初示 2014.08.19 改訂

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