相武電鉄資料館

国鉄(JR)線との連絡運輸

 神奈川中央交通のバス路線と国鉄(JR)線との連絡運輸は、昭和3年の平塚駅~大山(大山町駅)間の大山線からはじまり、昭和27年に3路線、翌年の28年にさらに3路線が追加され、計7路線で実施されました。

図表:連絡輸送実施路線図
【国鉄(JR)側連絡運輸区間】
会社 路線 区間
JR東日本 東海道本線 東京~熱海
南武線 各駅
横浜線 各駅
横須賀線 各駅
相模線 各駅
伊東線 各駅
中央本線 吉祥寺~甲府
東北本線 川口~大宮・古河・小山・宇都宮
常磐線 松戸~我孫子・土浦・友部・水戸
高崎線 熊谷・高崎・前橋
両毛線 伊勢崎・桐生・足利・栃木
水戸線 下館
総武本線 市川~千葉・佐倉・成東・八日市場・銚子
外房線 大網~上総一ノ宮・勝浦・安房鴨川
内房線 木更津・安房勝山・館山
成田線 成田・佐原・小見川
JR東海 東海道本線 熱海~静岡

※ 以下の表の運賃は昭和62年当時のものです。
大山線

コード 停車場名 所在地 運賃 場間
距離
起点
距離
接続線名 備考
6528301 平塚
(ひらつか)
平塚市宝町 - 0.0k 0.0k 東海道本線  
6528402 豊田本郷
(とよだほんごう)
平塚市豊田宮下 170円 4.5k 4.5k   バス停名称は
豊田本郷駅
6528403 伊勢原
(いせはら)
伊勢原市桜台 270円 5.2k 9.7k    
6528404 大山町
(おおやままち)
伊勢原市大山 480円 6.2k 15.9k   バス停名称は
大山駅
 
【営業開始日】
昭和3年(1928年)3月4日
 写真:大山駅バス停  大山線は神奈中で最も古い連絡運輸路線となります。
 現在はこの路線を全通する路線はなく、平塚駅から伊勢原駅までの豊田本郷を経由する各路線と伊勢原駅から大山駅までの伊12系統が大山線の区間を走行する路線となります。
 国鉄(JR)側での豊田本郷と大山町とされている停車場は、今でもそれぞれ「豊田本郷駅」「大山駅」という名のバス停となっており、連絡運輸当時の名残りを残しています。
 また、この区間にはトロリーバスを運行する計画もありました。


秦野線

コード 停車場名 所在地 運賃 場間
距離
起点
距離
接続線名 備考
6528301 平塚
(ひらつか)
平塚市宝町 - 0.0k 0.0k 東海道本線  
6528502 金目
(かなめ)
平塚市金目 250円 7.9k 7.9k   バス停名称は
金目駅
6528503 秦野町
(はだのまち)
秦野市曽屋 380円 6.4k 14.5k    
6528503 南秦野
(みなみはだの)
秦野市尾尻 380円 0.7k 15.2k    

写真:金目駅バス停
【開始日】
昭和27年(1952年)7月16日
 秦野線は、平塚駅より金目方面を経由し秦野駅まで向かう路線となります。
 停車場のうち金目は金目駅というバス停になり、平成20年代後半まで乗車券などを販売していた建屋が残されていました。
 秦野町は現在の上宿通りバス停付近に「秦野町駅」として、南秦野は小田急線秦野駅付近にあったようです。


半原線

コード 停車場名 所在地 運賃 場間
距離
起点
距離
接続線名 備考
6528301 平塚
(ひらつか)
平塚市宝町 - 0.0k 0.0k 東海道本線  
6528302 相模神田
(さがみかんだ)
平塚市田村 190円 5.9k 5.9k  
6528303 厚木町
(あつぎまち)
厚木市厚木 380円 9.1k 15.0k    
6528304 愛甲田代
(あいこうたしろ)
愛甲郡愛川町田代 730円 12.8k 27.8k   現在のバス停名は田代、元は愛甲田代駅
6528505 半原
(はんばら)
愛甲郡愛川町半原 810円 4.8k 32.0k    

写真:半原バス停
【開始日】
昭和27年(1952年)7月16日
 平塚線も現在は全通する路線は無く、厚木町(小田急線本厚木駅付近)で乗り換えが必要となります。
 平塚駅より本厚木までは平53系統が、その先の半原まで厚02系統が平塚線に該当する路線となります。
 現在の田代バス停は以前、愛甲田代駅と名乗っており連絡運輸停車場の一つに指定されていました。


中野線

コード 停車場名 所在地 運賃 場間
距離
起点
距離
接続線名 備考
6528701 橋本
(はしもと)
相模原市緑区橋本 - 0.0k 0.0k 横浜線
相模線
 
- 久保沢
(くぼさわ)
相模原市緑区久保沢 160円 4.8k 4.8k   コードは
「65238306}?
6528707 相模中野
(さがみなかの)
相模原市緑区中野 270円 7.2k 12.0k    

写真:相模中野バス停留所
【開始日】
昭和27年(1952年)7月16日
 中野線は、現在の橋01系統・橋本駅~三ヶ木のうち相模中野までの区間にあたります。
 久保沢バス停は当初、コードが附番されておらず後年になって番号が与えられたようです。また、この久保沢は「久保沢駅」とも呼ばれていた時期があったようです。


厚木線

コード 停車場名 所在地 運賃 場間
距離
起点
距離
接続線名 備考
6528101 戸塚
(とつか)
横浜市戸塚区戸塚 - 0.0k 0.0k 東海道本線  
6528202 中田
(なかだ)
横浜市戸塚区中田 140円 2.5k 2.5k    
6528203 和泉
(いずみ)
横浜市泉区和泉町 140円 2.9k 5.4k    
6528204 長後町
(ちょうごまち)
藤沢市高倉 150円 1.5k 6.9k    
6528205 用田
(ようだ)
藤沢市用田 300円 5.1k 12.0k    

【開始日】
昭和28年(1953年)9月1日
 厚木線は名称とは異なり、相模川左岸の藤沢市用田が終点となります。


阿久和線

コード 停車場名 所在地 運賃 場間
距離
起点
距離
接続線名 備考
6528101 戸塚
(とつか)
横浜市戸塚区戸塚 - 0.0k 0.0k 東海道本線  
6528102 岡津
(おかつ)
横浜市泉区岡津町 160円 4.1k 4.1k    
6528103 相模新橋
(さがみしんばし)
横浜市泉区新橋町 160円 1.8k 5.9k    
6528104 阿久和
(あくわ)
横浜市瀬谷区阿久和東 160円 1.8k 5.9k    
【開始日】
昭和28年(1953年)9月1日


中津線

コード 停車場名 所在地 運賃 場間
距離
起点
距離
接続線名 備考
6528601 淵野辺
(ふちのべ)
相模原市中央区
淵野辺
- 0.0k 0.0k 横浜線  
6528602 上溝町
(かみみぞまち)
相模原市中央区
上溝
150円 4.1k 4.1k   現在のバス停名は上溝中央、元は上溝
6528603 水郷田名
(すいごうたな)
相模原市中央区
水郷田名
230円 4.0k 8.1k    
6528304 愛甲田代
(あいこうたしろ)
愛甲郡愛川町田代 340円 5.6k 13.7k   現在のバス停名は田代、元は愛甲田代駅
6528505 半原
(はんばら)
愛甲郡愛川町半原 420円 4.8k 18.5k    

【開始日】
昭和28年(1953年)9月1日

写真:水郷田名に停車中の淵野辺駅南口行き  中津線のうち、愛甲田代(現・田代)から半原までの間は半原線との重複区間となっており、コードは半原線として設定されたものを使用していました。
 路線指定の当初はまだ田名バイパスは開通しておらず、全ての路線がしろ坂経由であったことから停車場に水郷田名が組み込まれています。
 上溝町は現在の上溝中央で以前の「上溝」バス停があった場所となり、昭和33年まで現在の相模原営業所の前身、上溝営業所が置かれていました。

〔 参考文献 〕
  • 日本国有鉄道営業局 編 (1966) 『停車場一覧』 停車場一覧刊行会
  • 旅客鉄道 編 (1987) 『停車場一覧』 中央書院
  • 神奈川中央交通 編 (1982) 『神奈川中央交通60年史』
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