相武電鉄資料館

停車場配線の設計

場所の悪い専用線

 専用線の取り付け位置は、『専用線の一般的な設置位置』の項で説明した通りですが、下図のような駅本屋側の後方だけは設置するのには適していません。

図:専用線が駅本屋後方にある場合

 この位置に専用線を取り付ける場合には注意が必要です。
 大部分の貨車が下り列車の入換機で解結されるようになるこの場合は、上り列車との連絡に極めて不便となります。つまり、手押し入換えで上り貨物線に貨車を持っていくか、駅裏の側線に下り列車の牽引機関車で入れてもらい、そこから上り列車に連結する方法をとることになります。
 これは入換動車のある駅においても同様となります。
 次の駅まで逆送する方法もありますが、不経済となるため好ましくありません。
 そこで下図のように上り線と連絡を図るため、本屋側に赤線で示したように側線を一本増線することも考えられます。
 
図:連絡側線を一本増線した例

 この場合、上り下りどちらの列車との連絡も良くなりますが、本屋にホームを持つ駅では少し使い難いのが欠点となります。

 本線が3本以上ある場合は、下図のように上り本線の後方の赤線の位置に亘り線をつけることで対応ができます。

図:本線が3本ある場合の配線

 この配線であれば待避線にある上り貨物列車の機関車は、上り本線か空いている時間にこの専用線に貨車をとりに行くことができます。

 専用線が長大で出入貨車の量も多いのであれば、専用線と本線を立体交差させることも良い方法と言えます。

図:本線と専用線を立体交差した例

 大部分の貨車が上り列車と縁が深い場合は、前述した側線を増線する方法に加えて、下図のように専用線内でループさせる配線も良いでしょう。

図:連絡側線にループ線を加えた例

〔 参考文献 〕
  • 中央鉄道学園三島分教所 (1965) 『停車場配線』(学園教材 工35)
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