相武電鉄資料館

昔話に在る地を巡る

磨墨沢の伝説

 平家物語につながる伝説がこの地にありました。

 平家物語の一節「宇治川の先陣」に登場する名馬 磨墨。
 漆黒の馬体はいかにも逞しく俊敏闊達で、その嘶く声は数里先でも聞こえたといわれるほどの名馬だったと云われています。
 この磨墨を育てたのは小島某という人で、鎌倉の源頼朝に献上され、磨墨の名はこの時につけられたそうです。褒美として書付を添えた刀を一振りと鈴石を小島氏は賜ったと云われていますが、今では小島家は絶え褒美の品もいずこにあるのか分からなくなってしました。

 その小島家があったのがこの付近で、磨墨が日ごろから沢の水を飲んでいたことから「磨墨沢」の名が付いたとされます。


磨墨沢

写真:写真:現在の磨墨沢  磨墨沢は臼ヶ谷地区と伊保地区の間にある崖地にあり、コンクリートの擁壁が打たれているものの現在でも沢の流れは残されています。
 この沢の湧水はどのような日照りであっても決して涸れることはないといわれていました。


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