相武電鉄資料館

相模原(旧市域)の寺院・小堂

上溝地域

名称 所在地 備考
宝光寺 中央区上溝(乙二号)7-29  
安楽寺 中央区上溝(甲三号)592  
高巌寺(元町観音堂) 中央区上溝(乙一号)6-18  
十王堂 中央区上溝(乙五号)2-2  
常宿寺(跡) 中央区上溝(乙二号)6-3  
聖源寺(跡) 中央区上溝1-136 元・下九沢字姥沢
田向寺(跡) 中央区上溝(甲七号)7-36  
南覺院(跡) 中央区上溝  
感應院(跡) 中央区上溝  
寶城院(跡) 中央区上溝  
三乗院(跡) 中央区上溝  

宝光寺


山号 秀珍山
寺号 宝光寺
本尊 釈迦如来
開山 脱岑
開基 佐藤對馬
宗派 曹洞宗
本山 天応院【下溝】




 古くは上溝(乙二号)3189番地付近にあり、天文6年(1537年)に向西庵として、当時の地頭であった大西源左衛門定久が出家し真月斎道俊と称して、娘の向西尼とともに結んだことが始まりとなります。
 その後、慶安年間に名主であった佐藤對馬が庵を現在地に移し、宝光寺として改めて一宇を起こしました。
 江戸時代末期は寺子屋として使われました。



安楽寺


山号 溝国分山
院号 蓮乗院
寺号 安楽寺
本尊 阿弥陀如来
宗派 新義真言宗→真言宗智山派
開山 源尊
本山 高尾山薬王院【八王子市】




 古くは上溝(甲七号)1966番地付近にあり、そのころは蓮乗院安楽坊といいました。
 後に、本山である薬王院三世源尊により伽藍をもつ堂宇が建てられ、安楽寺に改められます。
 正保3年(1646年)に火災にあいましたが、当寺第十八世住職 昭如によって再建されました。



高巌寺(元町観音堂)

写真:元町観音堂(元町自治会館に併設)
山号 白瀧山
寺号 高巌寺
本尊 聖観音菩薩
宗派 本山修験 ※現在は不詳
本寺 玉瀧坊【小田原市】※現在は不詳




 当初の山号は南部山を称し、江戸期は小田原玉瀧坊配下の本山修験の寺院で、同じ上溝にあった同門の南覚寺住職が当寺の住職も兼ねていたようです。
 現在、寺地であった土地には元町自治会館が建てられ、一角に観音堂として当寺が残ります。

【武相卯歳観音霊場第30番】
御詠歌
かんぜおん いのるしるしは ありあけの うきよのやみを てらすかみみぞ


十王堂

写真:十王堂堂宇
本尊 閻魔王座像
地蔵菩薩立像




 元は作の口交差点の西の角(上溝字乙二号4400番地付近)にありましたが、国道の拡幅工事などで現在地に移転しました。
 天保年間の上溝村の地誌を集めた「高橋道格覚書」には“閻魔堂十王堂トモ云ウ”とあります。
 地蔵菩薩は安産祈願として信仰が厚く、多くの人が参拝したといわれています。

 堂宇は、姥川源流付近にあった姥山聖源寺のものを移築したと伝えられており、同寺の什器が残されています。



常宿寺(跡)


山号 溝中山
寺号 常宿寺
本尊 阿弥陀如来
開山 隆室
宗派 曹洞宗
本山 秀珍山宝光寺【上溝】




 上溝6丁目にある本町自治会館のある辺りのありました。
 廃寺ののちに一時期、本堂であった建物は鳩川農業学校(現・県立上溝高校)の仮校舎として使用され、その後、地所は上溝警察署が設置されました。
 常宿寺の名は移転の形で他県へ移されましたが、資料により移転先の記述が異なり、大正14年(1925年)頃に愛知県へ移されたというものと、大正15年(1926年)3月に新潟県へ移転したというものがあります。



聖源寺(跡)


山号 姥山
寺号 聖源寺
本尊 地蔵菩薩
宗派 曹洞宗
本山 秀珍山宝光寺【上溝】




 姥川の北側の川端にあった寺院で、以前は下九沢でしたが、現在は上溝に編入されています。
 廃寺後、堂宇は近隣の十王堂に使用されることとなり、什器とともに移されました。
 なお、十王堂には地蔵菩薩立像が納められていますが、聖原寺本尊との関りは不明です。



田向寺(跡)


山号 稲荷山
寺号 田向寺
本尊 薬師如来
宗派 曹洞宗
開山 大雲
本山 秀珍山宝光寺【上溝】



南覺寺(跡)


山号 南部山
寺号 南覺寺
本尊 不動明王
宗派 本山修験
開山 行圓
本山 玉瀧坊【小田原市】



感應院(跡)


山号 飯成山
院号 感應院
寺号 大行寺
本尊 聖観音菩薩
宗派 当山修験
開山 宥達
本山 大験寺【藤沢市遠藤】



寶城院(跡)


院号 寶城院
本尊 不動明王
宗派 当山修験
開山 秀山
本山 和合院【八王子市】



三乗院(跡)


院号 三乗院
本尊 不動明王
宗派 当山修験
開山 大玄
本山 大覚院【八王子市】



〔 参考文献 〕
  • 相模原市教育委員会 編 (1984) 『地名調査報告書』
  • 相模原市教育委員会 編 (1995) 『平成さがみはら風土記稿・寺院編』
  • 相武史料刊行会 編 (1929) 『新編 相模風土記:淘綾郡 大住郡 愛甲郡 高座郡 津久井郡』
  • 大日本市町村地番反別入地図刊行会 編 (1919) 『高座郡上溝町(土地宝典)』
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