相模原生まれのハナモモ・照手
ハナモモ(花桃)はその名の通り桃の一つですが、花づきが良いことから江戸時代より鑑賞目的で庭木などに用いられることの多い樹木です。
従来種は枝垂れ性樹形で枝が四方に広がるものでしたが、相模原市中央区横山にあった神奈川県園芸試験場相模原分場(平成7年閉場・現市立横山公園敷地内)において品種改良が行われ、ほうき性樹形のハナモモが生まれました。
このハナモモは、近隣を流れる姥川流域に伝わる照手姫伝説にちなみ、「照手紅」、「照手白」、「照手桃」、「照手姫」と名づけられました。
また、生食可能な果実が収穫できるハナモモとして「照手水蜜」も開発されました。
【照手紅】
交配組合せ | 赤枝垂 X 箒 |
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花色 (日本園芸植物標準色票番号) |
明紅色 (0106) |
花弁数 | 19.7枚 |
花径 | 40.2mm |
開花時期 | 4月上旬 |
葉色 | 緑 |
種苗法による登録年 (品種登録番号) |
1986年 (第970号) |
ハナモモでは最も濃い花の色しているといわれる「寒緋」と同程度の色づきの花を咲かせます。
【照手桃】
交配組合せ | 箒 X 赤枝垂 |
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花色 (日本園芸植物標準色票番号) |
鮮紫ピンク (9504) |
花弁数 | 22.1枚 |
花径 | 43.8mm |
開花時期 | 4月上旬 |
葉色 | 緑 |
種苗法による登録年 (品種登録番号) |
1986年 (第971号) |
花は交配の原種となった「箒」より濃い桃色しており、照手シリーズの中では一番の大輪となっています。
【照手白】
交配組合せ | 箒 X 残雪枝垂 |
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花色 (日本園芸植物標準色票番号) |
黄白色 (2501) |
花弁数 | 30.3枚 |
花径 | 38.8mm |
開花時期 | 4月上旬 |
葉色 | 緑 |
種苗法による登録年 (品種登録番号) |
1986年 (第972号) |
純白に近い白色した花で花弁数も多く、花着きも大変に良いとされています。
【照手姫】
交配組合せ | 箒自然実生 |
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花色 (日本園芸植物標準色票番号) |
淡紫ピンク (9202) |
花弁数 | 28.6枚 |
花径 | 42.4mm |
開花時期 | 3月下旬~4月上旬 |
葉色 | 緑 |
種苗法による登録年 (品種登録番号) |
1992年 (第3460号) |
小柄なほうき性の樹型は照手桃に比べて枝が乱れにくく、樹姿は整えやすくなっています。
花は大輪八重咲きで色は淡桃色となっており、萌芽の時期が遅いことから満開時まで葉の芽が目立たなく、花のみを楽しむことが出来ます。
【照手水蜜】
交配組合せ | 源平枝垂桃 × 白鳳 |
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花色 (日本園芸植物標準色票番号) |
淡紫ピンク (9502) |
花弁数 | 5~10枚 |
花径 | 39.0mm |
開花時期 | 4月上旬~中旬 |
種苗法による登録年 (品種登録番号) |
1990年 (第2406号) |
樹形は枝垂れ性で、樹冠は普通のものより大きくはなりません。
桃色で、波打ちのある5~10枚程の花弁から成る一重または二重の花で、ソメイヨシノよりも開花時期が数日遅れます。
果実は、接ぎ木3年生樹で実の重さが115g程度、果径は直径約6cmの球形となっていますが、その姿は交雑親品種の「白鳳」に似たものとなっています。
果汁が多く酸味より甘味の強いものとなっており、多く身が成り自然落果が少ないことから、早めの摘果が必要となっています。
照手水蜜の果実品質
外観 | 円(縦径÷横径=0.98) |
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果頂部の凹 | 浅(3mm程度) |
梗あの深さ | 小(0.7cm) |
大きさ | 小(果重115.8±15.5g) |
果皮の地色(日本園芸植物標準色票番号) | 浅橙黄(2203) |
果皮の着色(日本園芸植物標準色票番号) | 濃ピンク(0113) |
着色の形 | ぼかし |
果肉の色(日本園芸植物標準色票番号) | 乳白(2503) |
肉質 | 溶質(繊維:中・果汁:多) |
甘味 | 中(Brix:12.0±1.5) |
酸味 | 小(PH:4.5±0.2) |
渋味・苦味 | 無 |
香気 | 中 |
熟期 | 7月中下旬 |