相武電鉄資料館

当麻廻り八王子通大山道 -道すじと道標-

 橋本にある棒杭の道標から田名廻りのルートと分かれ、国道129号線及びその旧ルートを通り当麻宿から依知の渡しに至るのが当麻廻りの道すじです。

観音苦行(観音坂)
写真:観音坂  緑区下九沢の東端、作の口地区にある坂道です。
 現在は改修されそれほどではなくなりましたが古くは急な坂であったことから、「観音苦行」の名がついていました。

 この坂の半ばあたりから、国道拡幅工事の際に石仏の台座らしきものが発掘されています。
 この台座には「八王子道」「大山道」「神奈川道」と刻まれており、道標を兼ねたものであったことと横浜方面への道すじの分岐点であったことが読み取れます。

上溝・田尻の不動尊道標
上溝の南の田尻で磯部、座間方面へ向かう八王子道と分岐しており、不動尊を掲げた道標が置かれています。

写真:上溝田尻の不動尊道標
所在地 相模原市中央区上溝2230
寸法 高さ 75cm
30cm
奥行き -
形状 角柱
坐像 不動明王
刻字 正面 不動講供養・・・
・・・方 八王・・・
右面 此方 あ津ぎ道
左面 此方 ほしみや
裏面
建立は嘉永巳年十一月吉日 村講中とあります。

写真:地名標柱「大山道」
この辻は長らく人通りに多い場所であったらしく、この不動尊道標の他に大正初期に建てられた道標もあります。


当麻
写真:当麻の渡し  当麻は、永正15年(1518年に北条氏より出された制札に“当麻宿”の名が見られるように古くより宿場町として栄え、小字にも「上宿」「下宿」という地名があります。
 現在、昭和橋が架かっている辺りに上依知(当麻)の渡しがあり、新編相模国風土記稿によると「八王子道の係る所相模川にあり。対岸高座郡当麻村に通ず。舟二艘を置く。当村(上依知村のこと)にて進退す[上依知村の項]」「大住郡須賀村民所蔵天正の頃北条氏より出しし文書に此の渡津のこと見ゆ[当麻村の項]」と書かれています。


〔 参考文献 〕
  • 相模原市教育委員会 編 (1978) 『石仏調査報告書(さがみはらの文化財 第13集)』
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