相武電鉄と電気
1.電力受給
電力供給元
供給元会社
相武電力株式会社
(後に吸収合併され、日本電力株式会社が供給会社となる)
(後に吸収合併され、日本電力株式会社が供給会社となる)
当時の電気鉄道を運営する会社は、発電部門を持つか系列に電力会社があるケースがよく見られました。相武電鉄でも当初の計画は水力による自家発電を目指していたようですが、その後、外部の電力会社より電気を買うこととなりました。また、久所~愛川田代間と川尻支線は当初、東京電燈株式会社からの購入を予定していましたが、その後、相武電力に変更しています。
受給契約
受給電力
方式 :交流三相式
電圧 : 3,000V~3,300V
出力 :最大 500Kw
周波数:50サイクル
電圧 : 3,000V~3,300V
出力 :最大 500Kw
周波数:50サイクル
料金
1kwあたり 3銭
但し、最低使用量が396Kwに満たない場合、11円88銭(396Kw分)を支払うこととする。
但し、最低使用量が396Kwに満たない場合、11円88銭(396Kw分)を支払うこととする。
ちなみに、東京電力さんの現在の料金(高圧電力B契約・平成16年9月現在)だと、1Kwあたり夏季が9円63銭、その他の季節が8円75銭となっています。
2.変電設備
変電所名称及び所在地
施設名称
〔申請当初]久所変電所
↓
〔計画変更〕上溝変電所
↓
〔計画変更〕上溝変電所
所在地
〔申請当初〕高座郡田名村字久所270番地
↓
〔計画変更〕高座郡上溝町字乙四号3688番地の2
↓
〔計画変更〕高座郡上溝町字乙四号3688番地の2
申請当初は第1期線の終点であった田名久所に設けられることとなっていましたが、第3回営業報告では上溝変電所の名称が見られることから、このころにはすでに設置場所が変更となっていたようです。
変圧器
変換 状況 |
一次側 (給電側) |
二次側 (変流機側) |
---|---|---|
電圧 | 3,150V~3,300V | 445V |
相 | 3相 | 6相 |
結線 | スター型 | ダイメトリック型 |
容量
115Kw/A
周波数
50サイクル
冷却装置
油入自冷型
台数
2台(常用:1台 予備:1台)
変流機
変換 状況 |
交流側 | 直流側 |
---|---|---|
種類 | 6相方式 | フラットゴンバウント型 |
容量 | 115kv/A | 100KW |
電圧 | 455V | 600V |
電流 | 85A | 165A |
出力
最大出力:100Kw(持続時間:5分)
平均出力: 75Kw
平均出力: 75Kw
台数
2台(常用:1台 予備:1台)
納入元
納入元
三菱商事株式会社
この頃、多くの変電設備が輸入に頼っており、相武電鉄でも国外メーカーの物を用いたのではないかと思われます。
3.送電設備
送電種類及び方法
送電種類
淵野辺~久所間 :直流 600V
久所~愛川村田代方面間・堀内~川尻間:直流1,500V
久所~愛川村田代方面間・堀内~川尻間:直流1,500V
通電方式
架空単線式
電車線
吊架方式
鍵線吊架方式(シンプルカテナリ方式)
※ 高圧碍子により支柱へ支持
※ 高圧碍子により支柱へ支持
電車線の構造
メッセンジャーワイヤー(吊架線)
:BS10番鋼鉄線 7本撚り
電線(トロリー線)
:BS40番相当溝付硬銅線
:BS10番鋼鉄線 7本撚り
電線(トロリー線)
:BS40番相当溝付硬銅線
軌条面よりの高さ
メッセンジャーワイヤー(吊架線)
:19呎11吋(6.071m)
電線(トロリー線)
:18呎(5.487m)
:19呎11吋(6.071m)
電線(トロリー線)
:18呎(5.487m)
き電線
き電線の構造
BS11番27本撚り絶縁被膜銅線
配線位置
架空単線方式
※ 電車線支柱に添設
※ 電車線支柱に添設
支持物(支柱)
設置方式
側柱式
支柱の種類
木柱
支柱間の距離
平均:120呎(36.576m)
最大:150呎(45.72m)
最大:150呎(45.72m)
〔 参考文献 〕
- 東京逓信局 編 (-) 『管内電気事業要覧』